マグダラ(マグダレナ)の聖マリアとマグダラ(マグダレナ)の由来


クリヴェルリ「マグダラの聖マリア」
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クリヴェルリ「マグダラの聖マリア」全体画


マグダラ , マグダレナ,マグダレーナ, マドレーヌ の聖マリア (2)
X1世紀(祝7月22日)
F.Marie Madeleine. L.Maria Magdalena.


[マグダラ,マグダレナの由来]

 マグダラの聖マリアは、はじめ罪深い娼婦であったが、キリストと出会い感化を受け、罪を告白した後キリストのもっとも忠実な信奉者となり、最初の女性の使徒(修道女)となった。
それゆえ、罪を懺悔し、告解しようとする人々の守護者であり、身体障害の子供たちを取りなし守る聖女でもある。
 マグダレナからは、鮮明に人間の罪,懺悔,救いの問題が浮かび上がり、中世の人々が憧れてきた純粋な信仰に生きる人間像が見えてくる。ヤコブス・デ・フォラギネの『黄金伝説』によると、マグダレナは、高貴な王族の血統で、父をシルス、母をユウカリア、兄ラザロ、姉マルタと共にマグダラムの城館に暮らしていた。その城館は、ゲネサレ(ガリラヤ)湖の湖畔にあったといわれている。別のユダヤの伝承によれば、ここに広大な土地を持ち、香水を取るバラ園を経営していた富裕な商人の家の未亡人であったと言われ、ヨーロッパでは、マグダラムの城主の奥方と見られている。
 父母が死に、ラザロはエルサレム、マルタはベタニアの館に別れて住み、マグダレナは、マグダラムの城館にとどまり、地上の快楽に身を委ねていた。これが、彼女の名の由来といわれている。


[マグダレナの最後]

 マグダレナは、天上的な観想に憧れ、荒涼とした荒野にひとり赴き、そこで30年隠棲した。そこは、天使が彼女に告知したところで、泉も樹木も草の生える喜びもなかった。彼女が、地上の食物で養われず、ただ天上の食物だけで生きていることを知らせるためであった。毎日七回、天使は彼女を空中に連れてゆき、天上の天使たちの歌をきかせた。
 ある日、苦行を志す一修道僧が、神の導きで荒野のマグダレナに出会う。彼女は、「わたしが、この世界から別れなければならないことを聖主が告げて下さいました。あなたは、聖マキシミヌスのところへ赴き、次のように伝えて下さい。復活祭の日、ミサのために、朝早起きしてひとりで彼が行く時、その道すがら天使に導かれてゆくわたしを見るでしょう」と、言付けられた。
 聖マキシミヌスは、事の次第をその修道僧から聞いて大いに喜び、主に感謝した。そして、復活祭の日の早朝彼がひとりで教会へ向かうちょうどその時、彼は天使の群れに囲まれて立っているマグダレナの姿を見た。いつものように天上の讃歌を聴き入りながら、彼女は聖主に向かって手を広げて祈る。彼がそばに近付けないほど天使の光がマグダレナを眩しく照らしていた。
 やがて、その聖なる魂を天に向けて旅立たせ、静かに息を引きとった。教会にはえもいわれぬ芳香が七日間も漂っていたという。
 罪の深淵を覗く人間にとって、自我の醜さ、執着、邪悪に対して浄化を願う時、心より悔い改める信仰の姿をマグダレナに見る。

『しかし、罪のが増したところには、それ以上の恩寵が溢れるばかりのものとなった。』
ローマ人への手紙5:20






【参考文献】
植田重雄著/「守護聖者」<中公新書>
バルバロ神父訳「聖書」(講談社)
キリスト教美術図典1990年版/柳 宗玄、中森 義宗 編著
Jacobus de Voragine [ Legenda aurea ] ヤコブス・デ・ヴォラギネ「黄金伝説」
訳者:前田敬作・西井 武/発行所:株式会社人文書院


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