大教皇聖グレゴリウス X540頃〜604(祝3月12日,9月3日) I.Gregorio Magnus. L. Gregorius Magnus.
[伝記]
ラテン教会四大教父の一人、64代教皇(在位590〜604)、ローマ貴族出身、12年間ローマの執政官を勤めた。父の死後、聖べネディクト会に入会し修道生活をした。ローマの助祭に任ぜられ、590年ぺラギウスU世の死後、東西教会分裂等の難関時代に教皇となった。教会機構改革、寛容と慈悲の精神、奴隷廃止、戦争防止に努め、聖職者の独身制規定、教会音楽グレゴリオ聖歌を集大成した。
キリスト教神学に関する多数の著作と説教を通して教会勢力の拡張を行なった。毎タ彼が12人の貧者と共にする食事にある夜13人目の招かざる客(天使)が訪れた「聖グレゴリウスの晩餐」がある。また、助祭は執筆中の彼の肩に聖霊の鳩が止まるのをみとめた。反宗教改革につづく時代にしばしば表現された「聖グレゴリウスのミサ」は、彼が司祭として祈祷の最中、祭壇上に受難具に囲まれた磔刑のキリストの幻が現われ、会衆中の不信心者を諭したことに由来する。
「経帷子(きょうかたびら:プランデウム)の奇蹟」は、皇妃コンスタンティアがグレゴリウスに聖遺物を請い、福音史家ヨハネの経帷子(きょうかたびら:埋葬用白布)を与えられたが、その真正を疑いそれを拒んだ。だが、グレゴリウスが小刀をそれに突き刺すと生血が滴り、本物であることが証明されたという。
『黄金伝説』では、トラヤヌス皇帝の一子のため息子を殺された寡婦の復讐(仇)の求めに応じて、皇帝は皇子を引き渡したが、死後、トラヤヌスは煉獄へ落された。500年後、グレゴリウスの祈りによって、トラヤヌスの霊は天使の手で天国へあげられたという(上記画像手前下の火の中の裸の人物、ダンテ『神曲』煉獄編10の73-94参照)。
彼の『対話』(4:40)には3枚の金貨を個室に隠していたために終油を許されず、煉獄に下った一修道士の霊を救った話など、彼はとくに「煉獄」と結びつけられ、煉獄に苦しむ人々の霊を救い、その報いとして、彼自身は病弱の身に変えられたともいわれる。
[図像]
無髯、黒髪、長身の教皇姿、三重冠、三つの横木のある聖十字架を持つ。主な持物は彼の肩か頭上か耳元にいる聖霊の鳩、彼の著作が神授のものであることを示す。
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